anti-ATRX mAb（clone AMab-6 (mouse IgG₁, kappa)）

概要

ヒト ATRX と特異的に結合するマウスモノクローナル抗体
びまん性神経膠腫のサブタイプ診断のために、α-サラセミア/精神遅滞症候群-X連鎖（ATRX）の変異を判定する必要がある。本抗体は、ウェスタンブロットおよび免疫組織染色によって、高感度にATRXの変異状態を判定することができる。
抗体の力価はK _D値＝ 9.7 × 10 ⁻¹⁰ M。

参考文献

Establishment of Anti-Human ATRX Monoclonal Antibody AMab-6

アプリケーション

IHC, WB

仕様

溶液組成：D-PBS, 0.05％ アジ化ナトリウム
保存条件：2-10℃
抗体濃度 : 1.0 mg/mL

実施例

■ ウェスタンブロット
MBP-ATRX-MAP-PA、および、MBP-IDH1 の組み換えタンパク質（0.1μg）を電気泳動後にPVDF膜に転写した。その後、抗 ATRX 抗体、抗 IDH1 抗体、抗 MBP 抗体を用いたウェスタンブロットに供して検出した。

■ 免疫組織染色
A)乏突起膠腫、B) びまん性星細胞腫 を免疫組織染色に供した。組織は、4% パラホルムアルデヒドで固定・パラフィン包埋し、アビジン-ビオチン免疫ペルオキシダーゼ法を用いて染色した（抗体濃度 3 μg/mL）。
結果、いずれの組織でも、ATRX 変異のある腫瘍細胞では、核が染色されていないことから、抗 ATRX 抗体は、ATRX 変異のない腫瘍細胞の核を染色することが分かる。

anti-IDH-R132H mAb clone HMab-1 (mouse IgG₁, kappa)

概要

ヒト IDH1-R132H 特異的に結合するマウスモノクローナル抗体。クローンはHMab-1。
イソクエン酸脱水素酵素1（IDH1）におけるアルギニン132残基（R132）の変異は、星細胞腫、乏突起膠腫、乏突起星細胞腫、および二次性神経膠芽腫にて頻繁かつ早期に見られる。

アプリケーション

IHC, WB

仕様

溶液組成：D-PBS, 0.05％ アジ化ナトリウム
保存条件：2-10℃
抗体濃度 : 1.0 mg/mL

参考文献

Immunohistochemical detection of IDH1 mutation, p53, and internexin as prognostic factors of glial tumors

実施例

■ 免疫組織染色
神経膠腫組織を免疫組織染色に供した。IDH1-R132H（AOA：未分化乏突起星細胞腫）、IDH1-R132S（AOA）、および野生型（GBM：神経膠芽腫）を有する神経膠腫組織を、本抗体（抗IDH1-R132H）、SMab-1（抗IDH1-R132S）、およびRMab-3（抗IDH1-WT）で染色した。抗IDH1-R132H抗体は、IDH1-R132S陽性神経膠腫には反応せず、IDH1-R132H陽性神経膠腫にのみ特異的に反応している。また、IDH1 の共通エピトープを認識する RMab-3 はすべての神経膠腫タイプと反応したが、RMab-3 の反応性は不均一であり、抗IDH1-R132H抗体が免疫組織染色に有用であることが示されている。

anti-IDH-R132H mAb clone HMab-2 (mouse IgG₁, kappa)

概要

ヒト IDH1-R132H と特異的に結合するマウスモノクローナル抗体。クローンはHMab-2。
イソクエン酸脱水素酵素1（IDH1）におけるアルギニン132残基（R132）の変異は、星細胞腫、乏突起膠腫、乏突起星細胞腫、および二次性神経膠芽腫にて頻繁かつ早期に見られる。
本抗体（HMab-2）は、別クローンである（HMab-1）よりも低濃度かつ高感度に検出が可能である。

参考文献

A high-sensitive HMab-2 specifically detects IDH1-R132H, the most common IDH mutation in gliomas

アプリケーション

IHC, WB

仕様

溶液組成：D-PBS, 0.05％ アジ化ナトリウム
保存条件：2-10℃
抗体濃度 : 1.0 mg/mL

実施例

■ ウェスタンブロット
LN299細胞に、野生型IDH1 と IDH1 R132H を発現させ、ウェスタンブロットに供して検出した。使用した抗体は、抗IDH-R132H 抗体 clone HMab-2 (1 μg/ml)、抗IDH-R132H 抗体 clone HMab-1 (5 μg/ml)、OGHis (抗 His タグ; 1 μg/ml)、抗IDH1抗体：RMab-3 (1 μg/ml)、および AC-15 (抗 β-アクチン; 1 μg/ml) である。本抗体（HMab-2）は、IDH1-R132H に特異的に反応している。また、HMab-1と比較して、低濃度で反応し、かつシグナル強度も強い。

■ 免疫組織染色
IDH1 野生型神経膠芽腫 (A～D) および IDH1-R132H 保有神経膠芽腫 (E～H) を 2 μg/ml の 本抗体（HMab -2）を用いてを免疫組織染色に供した(B、D、F、H)。同組織の連続切片は、ヘマトキシリン-エオシン染色(HE染色)に供した (A、C、E、G)。

anti-hPDPN mAb clone LpMab-12 (mouse IgG₁, kappa)

概要

ヒトポドプラニン（hPDPN）の PLAG3 にある Thr52 に付加された糖鎖を認識するマウスモノクローナル抗体。
ポドプラニンは、C型レクチン様受容体2（CLEC-2）の内因性リガンドであり、口腔癌、肺癌、食道癌、悪性脳腫瘍、中皮腫、精巣腫瘍、骨肉腫など、様々な腫瘍に高発現することが知られている。また、ポドプラニンは、がんの転移に関与する血小板凝集誘導活性をもち、これはN末端にある３つのPLAGドメインに由来する。PLAGドメインのうち、PLAG3のThr52にはシリアル化O-グリカンと呼ばれる糖鎖が修飾されることが知られており、これがCLEC-2への結合とヒトポドプラニンの血小板凝集活性に不可欠である。抗体の力価：Kd値＝1.2 × 10⁻⁸ M ～ 1.8 × 10⁻⁸ M

参考文献

LpMab-12 Established by CasMab Technology Specifically Detects Sialylated O-Glycan on Thr52 of Platelet Aggregation-Stimulating Domain of Human Podoplanin

アプリケーション

IHC, WB, FACS

仕様

溶液組成：D-PBS, 0.05％ アジ化ナトリウム
保存条件：2-10℃
抗体濃度 : 1.0 mg/mL

anti-hPODXL mAb clone PcMab-47 (mouse IgG₁, kappa)

概要

ヒトポドカリキシン（hPODXL）と特異的に結合するマウスモノクローナル抗体。クローンはPcMab-47。エピトープにグリカンは含まれていない。
ポドカリキシンは、腎臓、心臓、脾臓、乳房組織、ニューロン、足細胞、内皮細胞など、全身の組織・細胞に発現するⅠ型膜貫通タンパク質である。また、脳腫瘍、前立腺癌、腎臓癌、口腔癌、甲状腺癌、など、いくつかの癌の診断マーカーおよび予後指標として知られている。
ポドカリキシンはシアロムチンであるため、多くの糖鎖修飾を受けている。グリカンを介して血小板、内皮、白血球と結合し、血小板-腫瘍-白血球凝集体の形成と微小血管における腫瘍細胞の停止を促進すると云われている。これらの事から、ポドカリキシンの過剰発現は、癌における抗体療法の潜在的な標的として考えられている。

参考文献

Determination of critical epitope of PcMab-47 against human podocalyxin

アプリケーション

FACS, WB, IHC

仕様

溶液組成：D-PBS, 0.05％ アジ化ナトリウム
保存条件：2-10℃
抗体濃度 : 1.0 mg/mL

実施例

■ 免疫組織染色
口腔がん組織を 本抗体（PcMab-47）を用いて免疫組織染色に供した。対比染色としてヘマトキシリン-エオシン染色(HE染色)を行っている。結果、本抗体（PcMab-47）は口腔癌組織を染色しており、その反応は、野生型ペプチド (WT)、H206Aペプチドによって完全に中和されるが、D207Aペプチドでは反応を阻害しなかった。

仕様と価格